君だけの時間 |
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ED後、着実に迫るクジャの寿命を前に次第に自分 を見失い思い悩んでいくジタンと優しく支えようとす るクジャのお話。(完結) |
マーメイド |
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背徳の宮殿にて。クジャへの思いに戸惑うジタン。 |
What's biting you? |
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クジャに噛み付いたジタンのお話。 |
昔タンタラスでやった演目にこういうのがあったっけ。
人魚の国のお姫様が人間の王子様に恋をして、結局その恋は実らなくって・・・それどころか、彼女は、王子を殺すか海の泡になるかの二者択一を迫られ、そして海の泡と消えた。
初めて台本渡された時、ルビィなんかは目を輝かせて、ブランクは鼻で笑ってたっけ。
俺は・・・・・・・
どうだったんだろうな・・・・・・
「・・っん・・・・・・」
「ぁ・・・・・」
薄暗い宮殿の一室。喘ぎを必死で堪えるジタンを見下ろしながら、 部屋の主は薄い笑みを浮かべた。
「可愛いね・・・・」
耳元でそう囁く彼を紅潮した顔でジタンは睨みつけた。
いつもこうだ。
ろくに抵抗もできない自分に、無理矢理犯される自分。そして結局は彼の・・・・・クジャの意のままになる自分。
こんなことをもう何度も繰り返している。
浅い眠りから目覚めたジタンはただぼうっと天井を眺めていた。隣で先に目を覚ましているはずのクジャはまだ夢の中にいるようだ。 ふと、部屋の隅のテーブルに目がいった。
「・・・・・・・」
傍らのクジャを起こさぬよう、ゆっくりとベッドから起き上がり、離れる。案外あっさりとたどり着いてしまったその小さなテーブルには、事前に脱がされたジタンの着衣と・・・・・愛用のダガーが無造作に置かれていた。それを手に取るとジタンは怯えたように背後を振り返った。クジャはまだ眠っていた。
(今なら・・・・・)
鞘にかけた手が震えているのがわかる。
(?)
剥き出しになった刃を見つめながらジタンは違和感を覚えた。
(どうしたんだよ・・・)
恐る恐る歩みを進め、寝台に眠るクジャを見下ろすと、その違和感はどんどん膨らんでいった。
(・・・オレ・・・・・)
(もしかして迷ってるのか・・・・?)
(なんで・・・・?)
ふいに胸のあたりが痛んだ。そんな気がした。
「馬鹿だね・・・」
「!?」
いつから起きていたのか、クジャはいつものように笑みを浮かべ、ジタンを見上げていた。
「まるで・・・童話にある人魚のお姫様みたいだよ・・・・・・ジタン・・・・」
胸が・・・今度は強く痛んだ。
「違う!違う違う!!っ・・「誰がお前なんか!!オレはっ・・・・・」
腕をつかまれ、体ごと抱き寄せられる。握り締めた刃は振り下ろされることなく、床へと落ちた。ほんの一瞬・・・・・見つめ合うと、ジタンは目を閉じ、クジャの背に腕を回した。
彼女は、王子を殺すか海の泡になるかの二者択一を迫られ そして、海の泡と消えた。
オレは
Fin