Memory of a pain |
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1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 番外編:隠し事 |
過去の記憶を持つブルーと持たないキース。痛みの記憶と向き合う転生パラレル。(完結) |
side : Jommy |
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同タイトルのジョミー視点のお話。(完結) |
風紀委員長の日課 |
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1 2 3 4 番外編:Valentine’s Day |
風紀委員長キースと生徒会長ブルーの初々しい学園パラレル。(完結) |
鉄仮面の失敗 |
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アニメ15話捏造話。シャングリラ脱出の際、キースが犯したミスとは・・?(完結) |
セルジュ=スタージョンの疑問 |
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キース×ブルー←セルジュ(完結) |
激闘 in シャングリラ! |
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前編 中編 後編 後日談 |
ブルーの一言で、シャングリラ中を巻き込んでの腕相撲大会が行われ・・?(完結) |
悩めるスノーホワイト |
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アルテメシアを発って1年、少し遅めのジョミーの歓迎会が開かれることになったシャングリラ。(完結) |
与えられた命令に「なぜ」とは問うなかれ。
メンバーズに選ばれたばかりの頃、教官に言われた言葉だ。
俺たちは駒。
変に疑問を持った挙句、見なくてもいいものを見て、背負わなくてもいい荷物を背負いこむなんて馬鹿馬鹿しい。だが、ただ命令に従っていればいいというわけじゃない。
駒は駒らしく、立場を考えて動けってことだ。
メギドの残骸の中、屍とも思えるそれを見つけたのは偶然だった。実際、そいつはほとんどの生態機能を停止させていた。
「どんな手を使っても、死なせるな」
「し、しかしこれは・・」
不可能を口に出そうとする医療班の男に、キースの鋭い視線が飛んだ。
馬鹿な奴だ。
命令には意見も質問も必要ない。結果がどうあれ、その場では「はい」と言っておけばいいのだ。
今しがた宇宙空間から帰還し、『彼』の搬入作業を終えたセルジュはガラス越しにそのやりとりを眺めていた。
同時に、寝台の上に横たわる一人の男の姿も。
ジルベスターセブンでのオペーレーション・スローターハウス。
ミュウの拠点を一気に叩き潰す作戦は、結果的には成功したとは言い難かった。ジルベスターセブンを破壊し、奴らの戦力を僅かに削いだものの、こちらも数多くの戦艦と人員・・そしてメギド一基を失った。
その元凶がたった一匹のミュウであること、さらには今自分の視線の先にいる男なのだということが、セルジュにはにわかに信じがたい事実であった。
血に濡れた細い四肢と衣装の損傷具合が爆発の激しさを確かに物語っているものの、その横顔は自分とさして年の違わない青年そのものだ。
数多の戦艦を落とし、惑星破壊兵器に単身飛び込んだミュウの元長。タイプブルーの中で最も強力な力を持つというオリジン。
それが彼のような線の細い青年だということに、セルジュは酷く驚いた。
しかしそれ以上に驚いたのは、彼に対するキースの執着だった。
先程のやりとりといい、アニアン大佐はどうあっても奴を生かしたいようだ。
大佐は一体・・何を考えているんだ?
セルジュの眼下には、蘇生措置を始めた医療班と頑なに寝台の上の男を見つめるキースの姿があった。
どう見たって、『あれ』に助かる見込みがなさそうなのは俺にだってわかる。 万一助かったとして、あんなくたばり損ないのミュウ一匹捕えた所でどうしようというんだ?
そこまで考えて、セルジュははたと我に返った。
「なぜ」と問うなかれ。
そうだ・・駒は駒らしく、立場を考えて動けばいい。