Novel地球へ・・・

キース×ブルー

Memory of a pain
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番外編:隠し事
過去の記憶を持つブルーと持たないキース。痛みの記憶と向き合う転生パラレル。(完結)
side : Jommy
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同タイトルのジョミー視点のお話。(完結)
風紀委員長の日課
1 2 3 4 番外編:Valentine’s Day
風紀委員長キースと生徒会長ブルーの初々しい学園パラレル。(完結)
鉄仮面の失敗
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アニメ15話捏造話。シャングリラ脱出の際、キースが犯したミスとは・・?(完結)
セルジュ=スタージョンの疑問
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キース×ブルー←セルジュ(完結)

ジョミー×ブルー

激闘 in シャングリラ!
前編 中編 後編 後日談
ブルーの一言で、シャングリラ中を巻き込んでの腕相撲大会が行われ・・?(完結)
悩めるスノーホワイト
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アルテメシアを発って1年、少し遅めのジョミーの歓迎会が開かれることになったシャングリラ。(完結)

セルジュ=スタージョンの疑問 -2-

「よう、お疲れ」

休憩室に入ると、聞き慣れた声とともに飲料水のボトルが飛んできた。
「なんだ、パスカルか」
ボトルを受け取ったセルジュは室内を見渡した。
いつも煩いくらい賑やかなメンバーズの休憩室だが、今日は珍しいことに目の前の垂れ目の眼鏡野郎の姿しかなかった。

「なんだとはご挨拶だな」
「・・他の連中は?」
「次の戦闘に備えて、計器類の調整に駆り出されて行ったぜ」
「成程・・お前はいつも通り任務放棄、と」
「馬鹿、俺だって徹夜明けでさっき交代したところなんだよ。とっとと戦闘態勢解除してくれないもんかね・・おちおち眠れやしない」

パスカルは欠伸を噛み殺すと、眼鏡を外して瞳をしばしばとさせた。
ジルベスターでの一件から、セルジュを含め、メンバーズたちは不眠不休の状態で戦闘態勢をとっている。 確かに敵の拠点を叩くことには成功したが、大きな作戦の後には必ず大きな隙が生じる。 未だに艦内に緊張感が漂っているのは、いつ有事が起こってもいいようにという指揮官の意向だ。

「そんな泣き事言ってると、大佐にどやされるぜ」
そう言ってドリンクを片手にソファに腰かけると、向かいにかけていたパスカルが興味津津といった様子で問いかけてきた。

「で、どうだったんだお前は?」
「何が」
「大佐直属の命令で、わざわざ宇宙に出て何を拾ってきたんだ?」

ジルベスターで見つけた『漂着物』を拾って来い。
それがキースから与えられた任務だった。

「・・タイプブルーオリジン」
「!?まじかよ・・」
「まじ」

淡々と答えるセルジュの一方、身を乗り出して目を丸くしたパスカル。驚きのあまり、かけ直したばかりの眼鏡がずるりと傾いた。
「メ・・メギドの爆発を耐えたのか・・・・・流石の化け物だな」
「・・そうは見えなかったけどな」
「いや・・見かけはいくらでも若くできるらしいぜ、あいつら。なんせブルーオリジンと言えば大昔のガニメデの資料によると、300年以上生き続けてる奴らの始祖らしいしな・・」
「あ、あいつそんな年寄りなのか?!」

今度はセルジュが前のめりになって驚いた。どれぐらい驚いたかといえば、勢い余って飲みかけのドリンクを噴き出しそうになるほどだ。 見た目には自分と変わらないと思っていたが・・・300歳以上と聞くと、やはり生身で戦艦を落とす化け物なのだと実感が湧いてくる。

「しかし、大佐が何をお考えかは知らないが・・あれは駄目だな。虫の息って感じだったぜ」
「へえ、残念だな。生きてれば捕虜にでも使えただろうに」
「捕虜・・?」
「ああ。奴らの内部のことは詳しく知らないけど、始祖というだけあって重要なポジションにいたことは間違いない。そいつを盾に奴らの動きを封じることもできたかもな」
「そうか・・そうだな・・」

パスカルの言葉に、セルジュは納得するように頷いた。
大佐は最初から奴を戦局に利用する算段だったということだ。
流石大佐だ・・と思う反面、セルジュは不意に何かに違和感を覚えた。

ミュウとの全面対決の鍵となる存在、ブルーオリジン。
どんな手を使っても彼を死なせるなと言ったアニアン大佐。

何も疑問に思うことなどないはずだ。 なのに何故か、喉の奥にひっかかるものがある。
この時のセルジュには、その正体がまだわからなかった。

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2004.2.22 開設