Novel地球へ・・・

キース×ブルー

Memory of a pain
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番外編:隠し事
過去の記憶を持つブルーと持たないキース。痛みの記憶と向き合う転生パラレル。(完結)
side : Jommy
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同タイトルのジョミー視点のお話。(完結)
風紀委員長の日課
1 2 3 4 番外編:Valentine’s Day
風紀委員長キースと生徒会長ブルーの初々しい学園パラレル。(完結)
鉄仮面の失敗
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アニメ15話捏造話。シャングリラ脱出の際、キースが犯したミスとは・・?(完結)
セルジュ=スタージョンの疑問
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キース×ブルー←セルジュ(完結)

ジョミー×ブルー

激闘 in シャングリラ!
前編 中編 後編 後日談
ブルーの一言で、シャングリラ中を巻き込んでの腕相撲大会が行われ・・?(完結)
悩めるスノーホワイト
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アルテメシアを発って1年、少し遅めのジョミーの歓迎会が開かれることになったシャングリラ。(完結)

セルジュ=スタージョンの疑問 -4-

ずっと疑問に感じていた。
何故、アニアン大佐はお一人でメギドに向かったのだろうと。


ブルーオリジンを撃ちに行ったあの時のキースと、以前パスカルが語った彼を捕虜にするという発想。セルジュには、そこに矛盾があるような気がしてならなかった。

最初からオリジン捕獲を目的とするならば、あの時点で部下を引き連れて行くべきだった。
だが実際キースは、単身で蜂の巣に乗り込んできた彼にまるで敬意を表すかのように一対一で対峙をした。
彼らしからぬ行動だったと今でもセルジュは記憶している。

撃ちに行ったはずの相手を、今更捕えてどうするというのか?
大佐としての彼の行動には一貫性がない。
一貫性があるとすれば、ブルーオリジンという存在に対するキース=アニアン個人の執着だ。

オリジンは必ず生きている。
大佐が死なせるはずがない。
・・・心のどこかで、そう思っていた。


「よう、さっきは悪かったな」
マツカを追って調理場に辿り着いたセルジュは、病人食を再び調理していた彼ににやりと声をかけた。
「な・・何か」
「手伝ってやろうかと思ってさ」
「え・・」
「それ、俺が大佐の所に持って行ってやるよ」
「い・・いいですよ、そんな・・」
それはまずい。
・・そう顔に書いたマツカを、セルジュは見逃さなかった。
出来たばかりの料理をトレイごと奪い取ると、白々しく親切を装う。

「遠慮するなって。大佐は今ブリッジにいるだろうから、とりあえずお食事が出来たと内線で呼んで・・」
「だっ・・駄目です駄目です!そんなことしたら僕が怒られます・・!」
「へえ・・?」
「あ・・・」

罠にかかったマツカに向かい、セルジュはほくそ笑んだ。
「なんだ、大佐に出す料理じゃないのか?・・じゃあ一体誰に出すんだ?」


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戦闘艦ゼウスの最上部に位置する、キース=アニアン大佐の執務室。
マツカから無理やり聞き出した『怪我人』の住所に、セルジュは開いた口がしばらく塞がらなかった。
正確にはその部屋の奥にある個室に『彼』はいるのだという。

大佐の執務室といえば、セルジュをはじめメンバーズは頻繁に報告や確認で出入りをしている場所だ。灯台元暗しというか、隠す大佐も大佐だが・・気付かない自分たちも相当間が抜けている。

セルジュは執務室の前に立つと、両手に抱えたトレイにしかめ面を落とした。
本来これをここに持ってくるはずのマツカは、数週間前から大佐に命じられるまま『彼』の身の回りの世話をしていたらしい。
勿論『彼』が誰かは知っていたが、『彼』を保護する理由については何も知らないし、聞かされていない・・・ここまでが先程マツカから聞いた話だ。

「失礼します・・」

通常のロックを解除して、執務室に足を踏み入れる。
キースは休憩以外ではこの部屋に戻ることはそうないため、僅かな時間ならば問題はないだろう。
セルジュは周囲を確認すると、目当ての物を見つけてそれの前に立った。見慣れた室内の奥にある扉・・幾重にも施されたそれのロックを、予めマツカから聞き出した情報を元に解除していく。


こんな真似までして、自分は何がしたいのだろう・・?
事実だけを見れば、大佐はミュウをかくまっているということになる。
マザーの意向とはとても思えない上に、自分たちに偽りの情報を流したという時点で大佐の独断なのだと理解できる。

証拠を掴んで上層部に報告?・・いや、ありえない。

セルジュは個人として、キースを尊敬していた。
どんなにきつい任務でも、彼の命令だからこそ手となり足となることに躊躇いなどなかった。訓練生時代には、彼のように優れた軍人でありたいと憧れすら抱いていた。
だからこの目の前の事実に、セルジュは正直ショックを受けていた。

・・そうだ、この目で確かめてやる。
大佐がこだわるブルーオリジンという存在が、どんなものなのか・・。
きっと何か、理由があるはずなのだ。

そう意気込んで最後のロックを解除すると、セルジュは僅かな緊張を帯びながらその部屋へ足を踏み入れた。

「し・・失礼します」
「・・どうぞ」
「?!」

なんとなく習慣で放った言葉に返事が返ってきた。
そこに目当ての人物がいるのだから当然の結果なのだが、不意にかけられた言葉に、セルジュは心臓が飛び出るかというくらい驚いた。

「やあ」
「・・・」

部屋の中央に置かれたベッドの上に、確かに『彼』はいた。
ふわりと微笑む赤い瞳に、セルジュは時が止まったかのような感覚を覚えたのだった。

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2004.2.22 開設